障害者ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』『人間になりたがった猫』


ユタと不思議な仲間たち』という話は、テレビのドラマでも見た。劇場中継でも見たことがあった。それを、障害者の劇団が上演するのだという。自分を表現することが苦手な知的障害者が、どこまでできるのだろうか。

知的障害にもいろいろある。いわゆる知恵遅れ、ダウン症自閉症、情緒障害、学習障害・・・今はまた違った呼び名で言い表される。もちろん、ダウン症自閉症には知的障害を伴わない場合もある。

そういった青少年が舞台に立つということは、どんなに大変なことだろうか。しかし観客が「構えて見守る」姿勢とはうらはらに、楽しそうにのびのびと演じていた団員たち。なおかつ、きちんと舞台として完成されている。けして「学芸会」ではない。

指導するボランティアの教員、保護者の手もあるだろうけれど、なにより団員の意識が伝わってくる舞台だった。それぞれの個性が豊か過ぎるほど豊か。ほんとうにそれぞれがまったく違っているにもかかわらず、ひとつの作品に仕上がっているというのは、なんてすごいことなんだろう。

劇団ブーメラン