『ニッポンの小説』『巨船べラス・レトラス』

どちらも月刊誌『文學界』に掲載されていたもの。そしてどちらも、テーマは「文学とは」。『ニッポンの小説』は、学生を相手に講義するというカタチで書かれている。『巨船べラス・レトラス』は、架空の小説家、詩人、編集者(モデルはあるのかもしれない)が、文学について語るカタチで書かれている。

で、読者たるわたしが、「文学」について理解できたのかどうかは、わからない。理解できていたとしても、それを文章にあらわせる力量はないと思う。

文章にできないということは、理解していないということにもなるのだろうか?

文学は芸術である、という方がいる。では、エンタメは芸術ではないから、文学ではないということなのだろうか。芸術は一般的には理解できないしろものだ、という方がいる。主人公に感情移入して、素直な感動を呼び起こすような私小説は、芸術ではないのだろうか。

何にせよ、文字を通して、あらゆる世界を堪能できる「活字」は捨てがたい。映像は、一方方向の世界しか見せてくれないのではないか。