『ハイドゥナン』(上下)

新聞や雑誌の書評で絶賛されていた。こんな難しそうな本、おしまいまで読みきれるのかと心配だったが、読むのが止まらなかった。『日本沈没』よりファンタジーの要素が強いせいかもしれない。それ以上に、リアルだったこともある。

沖縄が火山活動のために沈む兆候がある。それを阻止しようとする人々。沖縄の伝説をベースに、宇宙全体を見据えたスペクタクル。科学小説であるとともに、社会小説。だから、よけいリアルだったのかもしれない。

読んでいる途中、新潟の地震があった。予知はできなかったのだろうかと、思った。それと同時に、予知した後、住民の方々はどこへ避難するのだろうということも考えた。

また、砂糖の輸入の関税をなくするというニュースを聞いた。砂糖が安く、海外から入ってくると、沖縄の農業は衰退する。これといった産業もなく、あるとすれば観光とアメリカ軍基地。現実的にいえば、沖縄の人たちは収入源が少ない。ところが、軍事的・政治的な役割は過大な負担を強いられている。

沖縄がなくなっちゃったら、日本はいったいどうなるんだろうね。