捜索

例年のごとく、商店街で七夕まつりが行われた。
ダンナと三女で出かける。
わたしは、次女の英会話教室の送り迎えがあるので、
二人を市内まで、車で送るだけにした。
「帰りもここに、迎えに来るから、メールしてね」
二人を降ろして、帰宅。

夕飯の支度をして、次女に食べさせ、教室へ送る。
帰ってくると、メール。
待ち合わせ場所に迎えに行くと、ダンナしかいない。
「はぐれた。さがして、電車で帰るよ」
焦るが、駐車場がいっぱい。しかたなく家へ戻る。

義父母に事情を話し、次女を迎えに行き
そのまま、三女を探しに行く。
メールがないから、まだ見つかってないのだろう。
あれから2時間もたっている。
次女の携帯にメールがあり、ダンナの甥っ子も
いっしょにさがしてくれるという。ありがたい。

駐車場がいっぱいなので、駅前通りの親戚の家へ
車を置かしてもらう。次女と別れて、捜索。
捜していると、ダンナと遭遇。
ダンナには会えたのに、なぜ見つからない。
焦る。どこかに、連れて行かれたのか?
あるいは、どっかの隅っこで泣いてないか。
他人との、コミュニケーションが難しい子だから
誰かに何か聞かれても、説明はできないだろう。

捜しながら、三女の行動パターンを思う。
「わたしなら、きっと見つけられる」そんな思いがよぎる。
ふと、思いついて、待ち合わせ場所へ再び行く。

「いた!」

すでに、10時近く。
「おとうさんが、どっかへ行っちゃったの」
3時間近く、ずっと待っていたのだ。
泣いてはいなかったものの、不安だったのだろう。
わたしの顔を見つけると、ハンカチでしきりに目を
押さえていた。人前で泣くのはハジだと思っている三女の
強気な一面を見た。

結論、迷子になったのは、ダンナのほうだった。