教育基本法


愛国心」どうとかこうとか取りざたされていた。「国」という言葉のもつ概念が、人それぞれ違うからであろうと思う。

さて、長女が小2の頃から「社団法人ガールスカウト日本連盟」の活動に関わっている。創始者はイギリスのロバート・べーデン・ポウエル卿の妹、オレブ、レディ べーデン・ポウエルだと教わった。その少女を集めた集会や儀式、会議には、よくポウエル卿の遺した言葉が引用される。ここにそれらの言葉を集めた冊子『B−Pの言葉』(社団法人ガールスカウト日本連盟 1977年初版)がある。その中からいくつか抜粋してみたい

○「あなた方英国人(植民地の同胞も含めて)は、実際的な訓練に関する精神を生まれながらに授かっている。ゲームでの訓練は、最良の指針として用いられている。『自分の持ち場を守りなさい。自分自身のためでなく、チームのために競技しなさい』」
○「我々英国人は、他国民が持ち合わせないほどの森林生活の才能、冒険心、独立心を生まれながらに持っている」
○「(1907年提案より)少しでも愛国心のある人は新しい世代が市民としての正しい道に向かうよう、熱心に手助けする義務がある」
○「愛国心は、他国の人々の主張の中にも正しさと道理を認め、かつ自分たちの国が他の国々とも仲良く交わり、相手を認める方向に導くような、より心の広い、より気高いものでなければならない」

愛国心」をキーワードに書き出してみた。これらは、イギリスの少年たちに語られたものであり、キリスト教精神が根底にある。スカウト運動が宗教臭さをぬぐいきれないのは致し方なく、それを敬遠する人たちがいることもまた確かではある。
(原文では、「愛国心」の部分が「patriotism」となっている)

問題となっている「教育基本法」読まずして何を云うわんやである。わかりやすいサイトを探してみる。反対派のサイトであるが
http://www.kyokiren.net/
家庭教育への国家権力の介入になると言っているが、家庭教育の行き過ぎで、虐待が多くなっている現在、どう対処するのだろう。改悪ならば、改良するべく代案を考えなくてはなるまいと思う。それとも、現行のままがよいのであろうか。疑問が増えるばかりだ。

それから
http://blogs.yahoo.co.jp/ruru1515jp/18296930.html


ところで、かつて「神の国」発言で物議をかもし出した森元首相。実は森さんもボーイスカウトの一員である。『B−Pのことば』を読み進めていって、気になるフレーズにぶつかった。

○「スカウティングのより高度のねらいは、神・母国・仲間に対する義務を尽くすことにある。それによって、あなた方一人ひとりがこの地上に神の国、すなわち、平和と善意の治世をもたらす助けとなるであろう」

森さんが「神の国」と言うとキリスト教ではなく、神道神道にとって、死者はすべて神になるという。死者の国か?

森さんに読んでももらいたい言葉は

○「天国とは、空の上のどこかにある何か漠然としたものではない。天国はここに、この地上にあなたの家庭の中にある。富や地位にあるものでなく、あなたが自分の頭と心と手を使って、自分のやり方でどのように自分で天国を造りだすかによるのである」

ちなみにボーイスカウトは「財団法人」である。

最後にもうひとつ

○「ひとつのことに打ち負かされても、スカウトはけしてへこたれない。また別のことを試みる。『死んでしまうまでは、死ぬなどと口にするな』は、スカウトのモットーである」
(When beaten at one point,Scouts don’t give in: they try anothsr.“Never say die till you’re dead.”is their motto, isn’t it?)