迷い百舌はガラス戸に羽を休め

美しいこげ茶の羽根を広げ、ガラス越しの空を眺める。百舌が間違えて、建物の中に入ってきた。入り口のドアが開け放してはあるが、出て行く場所を探しあぐねているようだ。

昨日から始まった食味試験は難しい。だって、10点全部同じ品種。どこが違うの?
「採れた場所と、倒伏の状況が…」
わかるわけないでしょ、そんな違い。
「そうですよね。担当のボクもわかんないですもん。あははは」
あはは、って。いや、微妙にわかるのもある。でも、個人差が激しいねえ。どういう調査結果になるんだか。

食味が終わって戻ってみると、百舌はいない。ちゃんと外に出られたらしい。

仕事が終わって、家に帰ると
「朝、自転車のチェーンが外れちゃったって、電話があったよ」
わたしが出かけてすぐ、次女から電話があったらしい。あわてて、携帯にメールを入れてみる。即、電話が来た。
「駅にいるから、迎えに来て」
近くの駅から(と言っても車で10分)一駅先の駅まで迎えに行く。結局、朝は遅刻してしまったようだ。

夕食後、次女とTUTAYAへ。レンタルCDを返しにいく次女のお供。『WiLL』を買い、キース・ジャレットのCDを借りる。音楽はまったく詳しくないが、いろいろ聴くのは好きだ。ただ、気に入った曲があっても、次に欲しいと思うときには、思い出せないという難点はある。固有名詞を覚えるのが苦手。これは一種の障害であるのかも。

次女と三女が「TVチャンピオン」を見ている。今日はレゴブロック王者決定戦。この番組に参加するひとたちは、とにかくすごいと思う。そういえば、先週は「礼儀作法チャンピオン」だったな。
テレビは見ないとは言っているが、誰かが見ていると一緒に見ることになる。居なくなると、即消してしまう。東京で一人暮らしをしていた頃、2年近くテレビのない生活をしていた。べつに、困らなかった。ほんとは、世の中の出来事に興味なかったのかもしれない。興味があるふりをしていただけで。

いまは? とりあえず、手だけはつっこんでみてますが。いや、足が抜けなくなってる?