「レオノール・フィニ」展

群馬県立近代美術館にて開催(9月23日〜11月3日)


『夢先案内猫』という物語の作者である事は知っていた。落ちていく直前のような、妖しさを秘めた物語。何度読み返しても、落ちるところまではいかない。手を伸ばせば、届きそうなのに届かないような、じれったさ。

そんな雰囲気が、絵にも現れていた。

あからさまにせず、秘密めいた出来事に、どんなふうな魅力があるのか、作者だけが知っているんだよ、とでも言いたげな作品群。
美しいものだけを手に入れるために、しかけられた罠なのか? 仮面をつけたフィニは、自分自身を見つめる観客でもあったのだろう。